TIBCO Cloud™ Spotfire® Web クライアント ユーザー ガイド

1 つのビジュアライゼーションでの複数のデータテーブル

Spotfire で分析しようとするデータが、別のデータテーブルにある場合があります。複数のデータテーブルのデータを組み合わせてビジュアライゼーションを操作する方法は、1 つのデータテーブルのデータを操作する方法と大きな違いはありません。データに最適なビジュアライゼーションを選択し、データのフィルター、マーク、ドリルダウンを行うことができます。ただし、異なるデータテーブルのデータを組み合わせてビジュアライゼーションを構成し、操作する場合は、いくつかの重要な概念があります。

注: 複数のデータテーブルが 1 つのビジュアライゼーションで使用される場合、2 つのテーブルの結合は集計が実行された後に行われます。テーブルの結合を集計に実行する場合、テーブル間でローを追加するか、データ接続内のテーブル間で構造的リレーションを構成する必要があります。
注: ここで説明する機能の一部は、インストールされた Spotfire クライアントを使用してのみ作成またはアクセスできます。

メインのデータテーブル

異なるデータテーブルのデータを組み合わせたビジュアライゼーションでは、メインのデータテーブルが重要な役割を担っています。ビジュアライゼーションには常に 1 つのメインのデータテーブルがあり、ビジュアライゼーションに対するデータのアンカー ポイントになります。それによって、集計されていないビジュアライゼーションでのローの役割が定義されます。またメインのデータテーブル内の各カラムは、異なる方法でビジュアライゼーションのグループ化を行うために使用できます。従って、メインのデータテーブルのカラムにより、集計ビジュアライゼーションで何を項目 (散布図内のマーカー、棒グラフの棒など) とするかが制御されます。

ビジュアライゼーション内の項目をマークすると、メインのデータテーブルについてのみ、カラムの詳細が表示されます。カラムの修飾名 [Data Table Name].[Column Name] を使用して、式がビジュアライゼーション内の別のデータテーブルを参照するように明示的に指定しない限り、メインのデータテーブルは、すべての式が既定で参照するデータテーブルでもあります。次に例を示します:Sum([Sales Previous Year].[Sales])において [Sales Previous Year] はデータテーブルの名前で、[Sales] はカラムの名前です。

データを最大限に活用するには、ビジュアライゼーションの構成を開始する前に、メインのデータテーブルとしてどのデータテーブルが最適であるかをよく検討してください。

メインのデータテーブルは、[ビジュアライゼーションのプロパティ] の [データ] セクションで、またはレジェンドのデータテーブル セレクターから選択します。次の画像では、メインのデータテーブルの名前は [Sales 2017] になっています。



注: KPI チャートは他のビジュアライゼーションと多少異なります。複数の KPI で構成され、各 KPI をそれぞれ 1 つのビジュアライゼーションとして表示できます。すなわち KPI ごとにメインのデータテーブルがあります。

追加のデータテーブル

メインのデータテーブル以外のデータテーブルからのカラムは、ビジュアライゼーションでの軸の集計に使用できますが、ビジュアライゼーションをグループ化する軸では使用できません。

別のデータテーブルからカラムを追加するには、[分析内のデータ] フライアウトまたはフィルターパネルからドラッグ アンド ドロップするか、カラムセレクターからカラムを選択します。カラムセレクターを開き、目的のデータテーブルに切り替えると、カラムセレクターが切り替わり、選択したデータテーブルのカラムが表示されます。データテーブル セレクターは、次に示すように、分析内に複数のデータテーブルがあり、カラムの対応付けを使用できる場合のみ表示されます。カラムの対応付けは、インストールされているクライアントを使用してのみ編集できますが、カラムの対応付けが存在する場合は、Web クライアントからビジュアライゼーションに別のデータテーブルを追加できます。



カラムを対応付ける

もう 1 つの重要な概念として、カラムの対応付けがあります。ビジュアライゼーションに多数のデータテーブルからのデータを表示するには、ビジュアライゼーションのグループ化に使用する少なくとも 1 つのカラムが、ビジュアライゼーション内の他のデータテーブルの対応するカラムに対応付けられている必要があります。カラムの対応付けは、同じ種類のデータが含まれる場合に行われます。カラムに同じデータ型の値が含まれ、カラム名が同じである場合、それらは自動的に対応付けられます。たとえば、2 つのデータテーブル [Sales 2017] と [Sales 2018] では、2 つのデータテーブル間で、[Category] と [Type] というカラムが対応付けられています。ビジュアライゼーションを構成する際の原則として、ビジュアライゼーションで使用するすべてのカテゴリがすべてのデータテーブルに存在していなければなりません。この原則を守ることにより、カラムの対応付けが容易になります。ただし、いくつかの例外があります。詳細については、カラムの対応付け の「見つからないカラムの対応付け」に関するセクションを参照してください。



自動の対応付けが見つからない場合は、手動で対応付けを追加できます。カラムを手動で対応付ける必要がある場合とその方法については、カラムの対応付けカラムの対応付けを手動で追加する、および以下のトピックを参照してください。

一般的には、カラムの対応付けに加えてデータテーブル間でリレーションを定義する必要はありませんが、それが役立つ場合もあります。2 つのデータテーブルのリレーションをセットアップすることで、1 つのデータテーブルのマーキングとフィルターを他のデータテーブルに伝搬させることができます。関連するデータテーブルでフィルターの機能を指定する方法については、関連するデータテーブルのフィルター を参照してください。

基本的な例

2 つのデータテーブルのデータを棒グラフで比較する場合には、特別な調整は不要です。Spotfire に2 つのデータテーブルをロードし、棒グラフを作成し、カテゴリ軸でいずれかのカテゴリ カラムを選択し、値の軸で 2 つのカラム [Sales 2017] と [Sales 2018] を選択します。



2 つのテーブルの [Category] カラムと [Type] カラムは、同じ名前で、同じデータ型の値が含まれているため、すでに自動的に対応付けられています。例に示すように、メインのデータテーブルは [Sales 2017] であるため、カテゴリ軸で使用されるカラムはそのデータテーブルから得られます。この例では、両方のデータテーブルでカテゴリ カラムが同じであるため、2 つのデータテーブルのどちらもメインのデータテーブルとして使用できます。棒グラフの値の軸で複数のカラムを使用する場合、(カラム名) を使用してビジュアライゼーションをグループ化する必要があります。上のイメージでは、(カラム名) オプションを色の基準として使用しますが、トレリスの基準として使用することも、また次の画像のようにカテゴリ軸に追加することもできます。



異なるレベルの詳細

上記の例では、それぞれのデータテーブルのカラムは、[Category]、[Type]、そして売上高を示すカラムというように、ほぼ同じでした。ビジュアライゼーション内で、詳細のレベルが異なるデータを持つデータテーブルからのデータを比較することもできます。たとえば、特定の年度の売上目標と、その年の現在までの売上実績を比較する場合があります。果物と野菜の売上目標を示すデータテーブルがあるとします。以下の [Targets] データテーブルに示すように、果物と野菜の種類別に、1 つのローが目標を表しています。以下の [Sales] データテーブルに示すように、別のデータテーブルでは、現在の年の実際の売上データを示しているとします。このデータテーブルでは、それぞれの販売トランザクションが 1 つのローで表されるため、果物と野菜の各種類について、複数のローで売上高が示されます。



棒グラフ内のそれら 2 つのデータテーブルのデータを組み合わせることで、どの果物と野菜が当年度の目標に到達したかを確認できます。



推奨されるワークフロー

異なるデータテーブルのカラムを組み合わせてビジュアライゼーションを構成する方法がわからない場合は、この推奨されるワークフローが役立ちます。

1.1. メインのデータテーブルを選択する

まず異なるデータテーブル内のデータを見て、いくつかの質問に答えます。どのようなデータが含まれているか、またそのデータに基づいて何を視覚化するかなどです。ビジュアライゼーションをグループ化する基準となるカテゴリが含まれているデータテーブルは、メインのデータテーブルに適しています。たとえば、地域、部門、セールス担当者、製品の種類などによるグループ化が考えられます。

2.メインのデータテーブルのみを使用してビジュアライゼーションを構成する

使用する種類のビジュアライゼーションを追加し、メインのデータテーブルのカラムだけを使用して、可能な限りのビジュアライゼーションを構成します。ビジュアライゼーションをグループ化する方法とカラムを選択し、また集計値を表示させたいカラムがメインのデータテーブルにあれば、それらのカラムを適切な軸に追加します。

3.3. 集計された統計量を追加する

メインのデータテーブルのみを使用して可能な限りビジュアライゼーションを構成したら、他のデータテーブルから、集計されたカラムの追加を開始できます。